聖なるガンジス川とは何か

2016-05-25 Wed : 聖地巡礼

聖なるガンジス川 降下の神話



ガンジス川とは、如何なるものか?
空界(天上界)の清浄な流れであったガンジスは、神々の求めにより一旦天界へ昇り、次に人の魂の穢れを清めるために、地上へ降下したといわれる。

地上に降下し、人々の罪や穢れを清める、最上なる川といわれる大河。
山の神ヒマラヤの長女、ガンガ-女神が川の形をとったもの。
母なるガンガーとも呼ばれる。

ガンジス川の全長は、2525mとされ、最後はベンガル湾に注ぎ込む。
ヒマラヤの標高3892m、ガンゴートリ氷河の麓、ゴームク(牛の口という意味)と呼ばれる場所からバギラティ川が現れる。
このゴームクが、ガンジス川の源流だと考えられている。

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ゴームクとその背後にそびえる、バギラティ峰

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神話によると、
アヨーディヤー国王の威徳に輝くサガラ王が、ある祭式を執行しているとき、祭式用の馬が盗まれた。
王の命令により、サガラ王の6万人の息子たちが、全ての土地を追跡し、祭馬を発見するまで大地を堀り尽くしていった。
地下界を掘っていくと、王子たちは、東の方位に大地を支えている山のような『方位の象』を見たという。
「大象ヴィルーパークシャは、山も森も含めて全大地を頭で支えていた。
時節の変わり目になって、この大象が疲れて、疲労を休めるために頭を振ると、そのとき地震が起こる。」
(引用:新訳ラーマーヤナⅠより)

南の方位には、マハーパドマ象が、
西の方位には、サウマナサ象が、
北の方位には、バドラ象が、頭で大地を支えていた。

王子たちは、次に東北の方向へ進んだ。
(東北は、イーシャ神(シヴァ神)の方向である。)
そしてそこには、クリシュナ神の化身である聖仙カピラがおり、また盗まれた馬もいた。

王子たちは、カピラが盗んだのだと思い、怒りにまかせてカピラに襲いかかった。
しかし、聖仙カピラが放った「フン」という怒りの声によって、6万人の王子たちは灰の塊にされてしまった。

サガラ王は、遠くへ行ってしまった王子たちのことを知り、今度は孫アンシュマトに叔父たちの後を追って、必ず馬を連れ戻すようにと命じた。
アンシュマトは、叔父たちが掘っていった地下界を進んでいき、四方位の守護象に礼儀正しく敬意を表した。
そして、叔父たちが灰の塊にされたところへ行った。
アンシュマトは、叔父たちが灰の塊にされてしまったことを非常に悲しみ、何とか水供養をしてあげたいと思って水を探したが、見つからなかった。
すると、風のように早い鳥の王、スパルナ鳥が現れて、次のように言った。
「人中の虎よ。悲しむのはおやめなさい。この殺害は、世界に幸福をもたらすものですよ。(何故なら世界に幸福をもたらすガンジス川が、彼らを清めるために天界から地上に降下する原因となるのだから。)
この者たちは大力であったが、無量の威力を持つカピラによって焼き尽くされました。
だから、英知の者よ、この者たちを俗世の水で供養しても、効果はありません。
人中の虎よ、偉大なる腕の持ち主よ、ヒマラヤの長女のガンジス川の水で、叔父たちへの水供養をしなさい。
世界を清める彼女は、灰の塊となったこの者たちを洗い清めるでしょう。
そして、この灰が世間の人々の愛するガンジス川の水で濡れると、6万人の王子たちは天国へ行くでしょう。
大きな幸運の者よ、馬を曳いて出発しなさい。勇士よ。そして、祖父の祭式を完成させなさい。」
(引用:新訳ラーマーヤナⅠより)

祭馬が戻り、祭式は完了された。
サガラ王は、ガンジス川を地上に降下させる方法を見いだし得ないまま、3万年という長い間、王国を統治してから天界に昇ったという。
次に王位を継いだアンシュマト王、その息子ディリーバ王も、ガンジス川を地上に降下させて水供養をする方法を見つけられなかった。

ディリーバ王の息子であるバギラティ王は、ラージャ・リシ(王仙)であった。
バギラティ王は、国民と王国を大臣たちに任せて、自分はガンジス川を地上に降下させるために、厳しい苦行に専念した。
恐ろしいまでの苦行を1千年も堅持していると、祖父神梵天が現れ、願いを叶えてもらえることになった。
しかし、直接ガンジス川が地上に降下すると、大地はそれを支えることはできないであろうから、最初にシヴァ神に受け止めてもらうようにお願いせよと言われた。

バギラティ王は、梵天が去った後、足の拇で大地に立って、1年間シヴァ神に敬意を捧げた。
シヴァ神は、バギラティ王の苦行に満足して、ガンジスを頭で支えることを約束した。
そこで、ガンジスは激流となって、虚空からシヴァ神の頭の上に落ちた。
ガンガー女神は、奔流によってシヴァ神を摑まえて、自由気ままに好きな方へ流れようという高慢な考えを持ったが、シヴァ神はこれを知って怒り、シヴァ神の束ねた髪の中から出られなくさせてしまった。
数年間、シヴァ神の髪の中から出口を見つけられなかったガンガー女神だったが、バギラティ王が再び最高の苦行を捧げ、それに満足したシヴァ神は、ガンジス川を地上に放出した。

ガンジス川が放たれると、7つの流れが生じた。
7番目の流れは、バギラティ王の後を付いて流れた。
光り輝く、汚れのない清らかな水は、はじめにシヴァ神の頭に落ちて、再び地上に落ちた。
「シヴァ神の身体から落ちた水は、罪を清めてくれる。」と、呪詛により天界から落ちた天人や人々は、その水で沐浴をした。

バギラティ王の進む道、それがガンジス川の進む道となり、全ての罪障を清めながら流れていった。
それから、激しい流れであるガンジス川は、途中で偉大なジャフヌ仙が祭式を行っていたアシュラムを、水浸しにして壊してしまった。
ジャフヌ仙は怒って、ガンジス川を全て飲み干してしまった。
バギラティ王の祈祷を受けて、ジャフヌ仙はガンジス川を耳から、ムクバという地で放出した。
ジャフヌ仙の娘となって流れ出たので、それに因んで、ジャフナヴィー川とも呼ばれる。

再び、ガンジス川はバギラティ王の後に付いていき、大海に達した。
大海に達した後、バギラティ王はガンジス川と共に地下界に入って行き、灰にされて意識を失った叔父たちに、ガンジスの光り輝く水を注いだ。
かれらは、罪障を浄められて天国へ昇っていったという。
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ゴームクの背後にそびえる、Mt.Shivling


バギラティ川と合流するアラクナンダ川は、ナンダデヴィ峰、トリスリ峰、カメット峰などの頂からの雪解け水が小川となって流れこみ、
ヴィシュヌプラヤグでダウリガンガ川と合流し、
ナンダプラヤグでナンダキニ川と合流し、
カルナプラヤグでピンダール川と合流し、
ルドラプラヤグでマンダキニ川と合流し、
デーヴァプラヤグでバギラティ川と合流し、
ここからガンジス川と呼ばれる。
(以上は、パーンチ・プラヤグと呼ばれる5つの川の合流点。)

om namah shivaya

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